以下 漢字源の辞書や 事典等の寄せ集め・・・ (クリックで拡大 画は青山社:さし絵素材集のソフトから)
A:人類の先祖クロマニヨン人は 花を手向けられ アクセサリーを身につけ葬られた 彼らは「死」「弔い」を理解していた 「死者を葬送する唯一の動物≒人間」と云われております
:=葬=:
古代中国の経書の一つ『易』の中に 「昔の埋葬は草木で死者を厚く包み覆った」と書かれているように 「葬」は「艸(草)が上下二つ+死」で生い茂った草叢に 草の敷物を置き 死(死者)をその上に置き 又草をかけて隠し去ることを表しています 「礼記」に「葬とは蔵(ゾウ)なり」とある 「草葉の陰」という言葉は草で隠す事から 草の葉の下の意 所謂墓の下≒あの世 「草葉の陰から見守る(墓の下から見守る)」になったのでしようか?
:=墓=:
「土」が形を表し「莫」(バク)が音を表す形声文字。死者を葬った後 日(太陽)が草の中に隠れて見えない様子 昔の人たちはお墓の中身は 太陽が昇ることのない暗闇の世界だと考えていたのです 「墓」の意味は『葬り(はぶり)のか処』と言う事から『はか』となったとされます 「莫(ばく)」の部分は 太陽が草の中に沈んで隠れる事を示す会意文字「墓」の字には死者を見えなくする土盛りの意 平らな物を「墓」 土を盛ったものを「塚」 高く築いたものを「墳」と呼びます 一般の庶民の墓が建てられるようになったのは 江戸時代になってからです それから寺の境内に墓が出来だしたのも江戸時代以降です
:=死=:
死は「歹(骨の断片)+人)で 人が死んで骨きれに分解された状態 「ヒ」は人がひざまずく意味 死者の前で 人がひざまずいて祈りを捧げている様子を表した会意文字
:=喪=:
「哭(こく:なく)+口二つ+亡(死人でいなくなる)「哭」は声をあげて口々に泣くこと 「亡」は人の死を意味する会意文字 一説には木の葉がそぎ落ちて 枝だけになった状態をガクといい 遺体が骨だけになってやがて失われてしまう様子を表した文字ともいわれています
:=逝=:
「之+音符折」ふっつりと折れるように行ってしまうこと 「折」ははっきりと断つ ぷっつりと途絶えること かたく結ばれていた絆が離れて ばらばらになってしまう状態であることから 転じて「死」を表すようになりました また、中国古代の思想家・孔子が「逝く者は斯くの如きか(この世にあるものはすべて川の流れのように移ろい変わっていくのだろうか)」と述べているように 去ってしまって 二度と戻ってこないという意味でも使われるようです
:=忌=: 「心」と「己(キ)」という音符が組み合わさった形声文字 「己」には押さえつけられたものが 起きあがるという意味があることから 心中にハッと抵抗が起きて 素直に受け入れられない気持ち すなわち肉親などの死を表すようになりました 現代では 「忌諱(忌み嫌うこと)」「忌克(他人を妬んで勝とうとすること)」など どちらかというと「よくないとして避ける はばかる」という意味合いで使われることが多いようですが 天武天皇の時代には忌寸(いみき)という立派な姓氏も存在しました 下関の長府には「忌ノ宮:(長門二宮)」と言うお宮すら在ります(此処の別当神宮寺が当山と明治初年合併)
:=命=: 「あつめるしるし+人+口」 人をあつめて口で意向を表明し伝える様 心意を口や音声で外に音声で現す意 天の意向や使命を伝えること。特に神や君主の発言を指し 転じて「命令」を意味するようになる 神話に登場するイザナギノミコト、スサノヲノミコトなどの「ミコト(命)」も、「命令を発する神や人」を表す尊称だと考えられています また天から授けられた定めを自覚し それを果たすために人生を全うすることから いつしか「いのち(生命)」を象徴するようになりました
:=仏=:
人+音符弗(フツ)で良く見えないの意味を含む ブッダに当てたのは音訳で原義とは関係ない 最初梵語のBuddhaを浮図・浮屠と音訳したが 三国時代以後に一字で仏と音訳した ≪意味≫ホトケ・心理をえて衆生を教化するもの 即ち 釈迦 〔佛〕は旧字 常読:ブツ/ほとけ 字音はブツ/フツ(漢音)ブチ(呉音)音読(ホトケ)
以上 漢字源等の辞書を参考
=余話= 喪服は現在では“黒色”と決まっていますが、古くは“白色”だったのです。
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