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〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 境内、紅梅越しに見る鐘楼。 梅は神社や寺院によく植えられています。 新春に咲き「生め」や「産め」に通じることから、吉祥の名花と珍重されるのが梅です。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 「朝夕七時の鐘」です。 山門前;豊前田(谷)の街に、朝夕七時に、梅の香をのせて響きます。 鐘の数え方は、一つ、二つ…ではなく、 一口(いっこう)二口(にこう)・・・と数えます。 紅梅の幹は中まで赤みを帯びていて、新しく伸びる芽も赤みを帯びます。
< 紅梅の紅の通へる幹ならん >:高浜虚子:
梵鐘(和鐘)は「長い余韻と程よいうなり」が特徴です。 『平家物語』の冒頭に、「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり…」とあように、梵鐘の音には仏教的無常観が漂います。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・・‥‥…━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥‥・・ <金子みすず風に、ちょっと真似て、>
「優しい仏さまに、香りを差し上げたいの! 梅の花咲く枝は、 境内に香りを、振りまかないといけないの! だから妄りに、切れないの!」 ・・‥‥…━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥‥・・ ┏━━[お佛壇]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
:≪お佛壇≫:という、<金子みすず>の詩。
お背戸でもいだ橙も、町のみやげの花菓子も、佛さまのをあげなけりゃ、わたしたちはとれないの。
だけど、やさしい佛さま、じきにみんなに下さるの。だから私はていねいに、両手かさねていただくの。
家にゃお庭はないけれど、お佛壇はいつだって、きれいな花が咲いてるの。それでうち中あかるいの。
そしてやさしい佛さま、それも私にくださるの。だけどこぼれた花びらを、踏んだりしてはいけないの。
朝と晩とにおばあさま、いつもお燈明あげるのよ。なかはすっかり黄金だから、御殿のように、かがやくの。
朝と晩とに忘れずに、私もお礼をあげるのよ。そしてそのとき思うのよ、いちんち忘れていたことを。
忘れていても、佛さま、いつもみていてくださるの。だから、私はそういうの。「ありがと、ありがと、佛さま。」
黄金の御殿のようだけど、これは、ちいさな御門なの。いつも私がいい子なら、いつか通ってゆけるのよ。
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※金子みすずは、下関の隣りの市、長門市生まれですが、誰にでも愛される多くの詩の創作は、下関でしています。本名、金子テル。 下関西之端町上山文英堂書店で働き始める。それは以下の理由のようです。 みすヾの父、金子庄之助は彼女が3歳の時に死んで、2歳下の弟の正祐が、叔母(母の妹)の婚家先に養子に遣られる。やがてその叔母も死ぬ。その後、叔父の家、上山文英堂書店に、みすずが16歳の時、みすずの母ミチが、みすずを連れて、後添えに入る。以後、生まれた湊町;長門市の事を思い出しながら、ペンネーム「みすず」で童謡を書き、投稿を始める。「童話」・「婦人倶楽部」・「婦人画報」・「金の星」などの雑誌に童謡が掲載され、西条八十より「若き童謡詩人の中の巨星」とまで賞賛される。 しかし短命で、享年26歳。
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