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■ 49)「阿(a):吽(hum)」とは?(楓の新緑)2010.4.18

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:境内の糸カエデ … 柔らな新緑:

「阿吽」と言う言葉があります。それは梵語サンスクリット(悉曇文字)の「aーhum」の音を音訳したもので、「阿(a)」は口を開いて発する最初の音。「吽(hum)」亦「呍(hum)」は口を閉じて発する最後の音。 
そこから「阿」が宇宙の始まり、「吽:呍」が宇宙の終わりを表すとされとされます。また前者を宇宙の象徴に、後者を知恵や涅槃にたとえる場合もあります。

社寺の山門に立つ仁王や狛犬のように、一対で構成される像には、一方が口を開き、もう一方は口を閉じている組み合わせが多く見られます。これらは梵語の「阿吽」をモチーフにしており、それぞれが「阿形(あぎょう)」「吽形(うんぎょう)」と呼ばれます。一方が口を開き、もう一方が口を閉じて音を発するという語源から、「呼気」と「吸気」という意味に転じ、そこから二人がぴたりと息を合わせて行動している様を、「あうんの呼吸」と呼ぶようになったのだそうです。
「阿;:吽;」は、「最初と最後」:「呼気と吸気」であり、
「阿;ア;」と口を開け、「吽;ウン;」と口を閉じる。これは万物の初め・終わりを象徴的に顕し、宇宙の「始まり」と「終わり」を顕すことでもあります。
「阿」は万物の根源。「吽」を一切が帰着する知徳とするのです。
また「阿;」は悟りを求める菩提心を、「吽;」はその結果としての涅槃を意味するものと解されたりもします。

新緑は『阿;』と活動が始まって行く時期であり、秋の紅葉落葉は『吽;』とも言え植物が芽吹いて活動するのも、休眠するのも「阿吽」の世界とも言えます。 
冬に入る前に植物は「吽」で葉を落として休眠し、静かに鍛錬・瞑想して、知恵と活力を蓄える時期を過ごし、次の春に「阿」と目覚め、知恵と活力を発揮して行くのでは!

生物は「オギゃ~ぁ〜ァの(阿)」で生まれて、「吽;ウン」で死んでゆく。(阿字本不生;あじ‐ほんぷしょう)なのです。 

(阿字本不生)≒真言密教の根本思想の一。一切諸法の本源(宇宙)が不生不滅である。すなわち空(くう)であることを、阿字が宇宙を象徴しているとする思想。 
宇宙の本源とは、
不生不滅“生ずるのでもなく、滅するのでもない”所謂般若心経の説く「空」の意味。
宇宙の中で、物質が生まれても、死んでも不変の法則で≪空≫なのです。 

・・・書き込み中・・・


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