ツツジの咲く頃には、メジロ・鴬は街中の丘から、更に郊外の山に移動して行きます。
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二月 梅・椿咲く境内は、蜜を求めるメジロが来て、小さい群れになって賑やかです。 メジロは目の辺りが愛らしい! 白いアイシャドーが可愛い!! 好きな小鳥の一つです。
お地蔵さんの前の水受けに、メジロを初め、天気のいい日にはいろんな小鳥たちが水浴びをしに来ます。 メジロは冬の小鳥です。早ければ、 早咲きの椿が咲く頃;ピラカンサスの実が完熟する頃にやって来ます。 ピラカンサスの実を、メジロが食べるので、それに習って口に入れると、甘酸っぱく美味しかったですよ!金柑の実も好みます!椿・梅の蜜も!
雀より小さい身体が緑で綺麗、喉元は薄黄色、腹は白、さえずりは美声です。 すずめメジロ科、籠で飼って、さえずりを楽しみます。 昔はよく、鳥もちで捕っているのを見かけました。 戦後暫く、境内・八十八ヵ所参道にトリモチを仕掛けているのを、よく見かけました。 しかし、今では籠で飼うには、許可が要る保護鳥です。 御注意を!!
綺麗な鳴き声で、枝を飛び変わり、動きが活発で見飽きる事はありません。 〈余話〉=小笠原の母島には「メグロ」と言う。固有種のスズメ目メジロ科の小鳥がいるそうです。=
昔から『メジロしい』と言う言葉があります。 広辞苑を引いてみますと、 【目白押し】(メジロが木の枝にとまるとき、押し合うように沢山並んでとまることから @子供が大勢で押し合い、押されて列外に出た者が、又端に加って中の者を押す遊戯。 A多くの人や物がぎっしり並んで続いたりする事)
「開発計画が目白押しだ」だと言う風に使います。 語源を思うと、当にそのように感じさせてくれるメジロです。
境内に小群でやって来て、あちこち鳴きながら、活発にチョコチョコする鳥です。 メジロのチョコチョコする騒がしい行動も、メジロしいの語源かも知れません。 メジロしいは=騒々しいと、広辞苑のBに加えてもいいのでは・・・。 私は広辞苑@A以外の意味より、このBの方がピッタリするように思います。
可愛いですよ!!!桜の蕾が膨らむ頃、そろそろ鶯も鳴きだします・・・!!! ・・・初鳴きはもう直ぐ・・・!! 「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「 以下のことは、 日和山;当山境内辺りでの観察から。
古来、「梅に鴬」と言われますが、平地では梅が咲く頃にはウグイスは、まだ鳴きません。 初音(はつね)は桜が、咲きだす頃のように思います。初音は「梅にウグイス」では無くて「桜に鴬」です。一番盛んに鳴くのは新緑の頃です。「新緑に鴬」とも言えます。 「梅にウグイス」とは、本当の季節に合っておりません。 初音は「桜に鴬」であり、綺麗な囀りは「新緑に鴬」。それに姿は「薮にウグイス」です。 メジロの色姿との絵柄が、梅とよく合うから定番になったのでしよう・・・!?主に虫を好んで食べます。 それとは別にメジロは、蜜とか甘い物を好みます。 果物の蜜類が大好物です。それにみかん類の他には、リンゴ・バナナ・イチゴ・キウイ・梨・スイカ・メロンなど、果物であればほとんど何でも食べます。そしてこれらは腐りかけのものでも大丈夫です。果物の他は、焼き芋・ふかし芋なども食べますよ! 「花札には梅(2月)にウグイス」が描かれていますが、第一ウグイスは花札に画かれているよな綺麗な色ではありません。 この「花札の鳥」は、どう見てもメジロです。 「うぐいすの鳴音はしろき 梅の花 色まがへとや 雪の降るらん」 ・・・古今集・・・
と、 歌に詠まれているように、古来「梅には鴬」となっていたようです。早い時期から混同されていたのでしよう! しかし、 西行のように全国を巡って自然をよく知る修行者は、桜と鴬を合致させます。 脩憲の継母(二位の局)が亡くなって、西行が送った歌に、 「さくら花ちりぢりになるこのもとに 名残を惜しむうぐひすのこゑ」=西行= (桜の花が散りゆくように、故人を偲ぶ人々も散り散りになってゆく、故人の名残を惜しみ、みなが泣くように、桜のもと春の名残を惜しみ、鶯も鳴く。) その西行の歌の返し=少将ながのり(脩憲)=の歌。 「散る花はまた来む春も咲きぬべし 別れはいつかめぐりあふべき」 (散る花はまた来る春に再び咲きもしましょう、うぐいすはまた桜に会うことができます。それに比べ、我々のこの別れはこれが最後です。いつか再び巡り会うなどありません。) _・_・__・_・__・_・__・_・__・_・__・_・__・_・__・_・_
百科事典で調べました。 (以下です) 鶯色(うぐいすいろ)とは、灰色がかった緑褐色を言う。また抹茶色に近い柔らかな黄緑色を連想する人もいる。 前者はウグイスの羽に忠実に取材した色であり、オリーヴグリーン、未成熟のオリーブの果実の色)に近いが、後者はウグイスと同じく、春先によく見かけられる野鳥のメジロの羽の色と、混同されている。 また江戸時代中期には、前者の鶯色がより茶色味がかった鶯茶が、女性の普段着の色として大流行したため、当時「鶯色」といえばこちらの色を指す。 別名は、春鳥(ハルドリ)・春告鳥(ハルツゲドリ)・花見鳥(ハナミドリ)・歌詠鳥(ウタヨミドリ)・経読鳥(キョウヨミドリ)・匂鳥(ニオイドリ)・人来鳥(ヒトクドリ)・百千鳥(モモチドリ)。 鴬の別種;黄鳥(コウチョウ)・コウライウグイスの金衣公子(キンコウシ)というのもいるようです。
境内の桜が咲き出すと、ウグイスが鳴きだします。お天気のいい早朝から、午前中によく鳴きます。当山で一番よく鳴く所は奥の院の新緑の森です。
ウグイスは藪の中から鳴き、姿を見ることは困難です。 たまに見かけても、身体はくすんだ目立たない色合いです。 昔は「鴬の糞には美肌効果がある」と、 ご婦人が顔に塗っていたのでは?効果の程は・・・!!? 現在では「ホーホケキョ」と耳にしていますが、平安時代には「ひとく」と聴いたようです。江戸時代から「ホーホケキョ」となったようです。
「・・・ひとくとけさはうぐいすぞ鳴く」・・・光孝天皇。
(谷渡りの声) 梅の花 見にこそ来つれ 鶯の ひとくひとくと 厭ひしもをる 古今和歌集 私は梅の花をこそ見に来たので、他のものに用があるわけではない。それなのに鶯が『人が来る 人が来る』と嫌がっているのはどうしたことだ。
ウグイスの鳴き声を、平安時代は「ホ―ホケキョ」ではなく「ヒトク」と聴いたようです。 <・・・ひとくとけさはうぐいすぞなく>(光孝天皇)。 ひとく=人来(ひとく)に掛けて、恋しい人をが訪れる予感をその擬声語に重ねたもの。
平安の頃、多くの歌に鴬は詠まれたようですが、その鳴き声を詠じたものはわずかで『古今和歌集』巻第十九歌に、 「むめの花みにこそ来つれ鴬の ひとくひとくといとひしもをる」 という読人知らずの歌があるそうです。どうやら平安朝の鴬は「ひとく人来人が来る」と鳴いていたようですよ! メジロは、 留鳥でもあり、漂鳥のようですから、新緑の頃から、あまり見かけなくなります。早ければピラカンサの実が完熟したのを求めて訪れます。 山桜・染井吉野の桜より、少し早く咲く川津桜の花に一番よく群がります。 きっと花色が濃く目立ち、蜜が多く出るからでしようか? 川津桜の咲く頃、境内にやって来るのが、一番多いいようです。 梅の花から、染井吉野の桜の花に変わる頃には、目白は姿を見せなくなります。 街の丘から更に山深く移動するのでしょう。桜が咲く頃、メジロと鴬が入れ替わります。
この辺りでは山桜・染井吉野の桜が咲く頃に、鴬が鳴き出します。 「桜に鴬です」 「日本固有の花;桜」を愛でていた頃は、「桜≒鴬」で季節は合致していました。 ところが、梅が中国から伝来してきて、梅が日本に根付いて来て、「梅≒鴬」と言う勘違いした定番が、出来上がったようですよ!
〓「桜と梅」についての余話〓 ※【両手に花】とは、 平安時代の頃から、桜と梅をさすようです。 日本では古来から「日本固有の花;桜」を愛でていました。 そんな折梅は、中国から伝来して来たもの。 その辺りから、 桜と梅の花を言うのだそうです。「桜」「梅」どちらも捨てがたい人気の花だったのでしよう! ※「さくら(まわし者)」と言う言葉があります。何時の間にやら、ぱっと散って逃げるから「さくら」と言う。とも、ものの本にあります。 最後に落語の、 有名な謎掛けを紹介。 「田舎の葬式と掛けて鶯と解く」その心は…「泣き(鳴き)泣き埋め(梅)に行きます」
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