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■ 84)境内の「花」その61【鬼百合=天蓋百合】2020. 7.15

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合祀墓『阿字の里』前の
【鬼百合=天蓋(てんがい)百合】

漆黒の壺に鬼百合挿せば父   石倉夏生
多くのお方が『阿字の里』に納められています。

ユリ根″として販売されているもののほとんどはオニユリのもののようです。
花は濃いオレンジ色で、褐色の斑点が無数にあり、花びらが後ろ向きに反り返っているのが特徴です。花の色や形が赤鬼(あかおに)のように見えることから鬼百合(おにゆり)と呼ばれるようになります。
オレンジ色をした大輪の花を咲かせるオニユリ。草丈が高くなることから、1株だけでも存在感があります。また、独特の花色も魅力的です。種は実らないので「むかご」から増やします。

オニユリの特徴。以下、「search」
日本に自生しているオニユリはすべて3倍体で、
タネができません。
*3倍体は、染色体のしくみで、
配偶子ができないためタネもできません。増やすには「むかご」から増やします。
ちなみに近縁の同属のコオニユリはタネをつけ、
コオニユリの花粉をオニユリにつけると、タネができます。
対馬には、黄花の変種、黄金オニユリが自生しています。
花色は薄い黄色で、赤紫の斑点があります。
黄金オニユリは2倍体で、タネをつけます。
そのほかには、江戸時代より栽培されている
八重咲きオニユリもあります。
普通のオニユリ同様3倍体でタネをつけず、
雄しべも雌しべもなくなってしまっています。

オニユリの花言葉は名前によらず「華麗」、「愉快」、「陽気」、「賢者」です。
いずれも、素敵な意味です。見た目以外にもこの花言葉にも贈り物に喜ばれる理由です。
別名、テンガイユリ(天蓋百合)とも呼ばれます。

仏や菩薩などの像の上に懸垂される笠状の荘厳(しょうごん)具。もとインドで戸外の説法の際に用いた日よけの傘(かさ)から転化したもので,種々の形があります。
ぶら下がるように咲く花姿が仏具の天蓋のようにみえることから名付けられました。
「天蓋百合」という名前の由来ですが、オニユリの花は下向きに俯いて咲き、花びらが反り返っていますので、シャンデリアのようにぶら下がる姿をお寺の本堂の仏像の上にある天蓋に見立てたのが起源です。仏天蓋・人天蓋があります。
@ 仏具の一。仏像などの上方にかざしたり、つったりする絹張りの笠。瓔珞(ようらく)・宝珠・幡(ばん)で飾られる。棺に差しかけるものもいう。
A 教会の祭壇などの上におかれる覆い。
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オニユリは英語でtiger lilyというそうです。
これも花の色や見た目から白人からは虎の(tiger)模様に見えたことに由来します。
キリスト教のシンボルの花は百合で、イスラムは薔薇、仏教は蓮です。
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日本の百合には多くの種類があります。
鹿の子百合というのも綺麗な百合です。大輪です。
鹿の子模様の斑点、下を向いて咲く(お辞儀するように咲く)のが特徴。薄紅色や白色の鹿の子百合を見ることができます。
切り立った断崖でも逞しく花を咲かせます。
以下「search」、
江戸時代にはドイツ人医師シーボルトがこのカノコユリの球根をヨーロッパに持ち帰り、品種改良を行い、現在のカサブランカが生まれました。現在では、品種改良の親として利用されており、
ヤマユリなど他の種と掛け合わせて作られた交配種の、
オリエンタル・ハイブリッドは大輪で美しく人気があります。

花色は、白、ピンク、赤などがあり、いずれも芳香を放ちます。
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百合の由来。
以下、「search」
現在は「百合」の漢字を当てますが、万葉の頃には「由理」「由利」などの漢字が当てられていたのだそう。2〜3世紀頃に著された中国の書物に「百合(パイホ)」の記述があり、これ日本に伝わって「ゆり」を表す字として使われるようになったと言われます。百合はたくさん(百の鱗片)が重なり合った様に由来する、とされます。
たくさんの燐片が重なっているこの隣茎の形から「百合(百も重なる)」の字が当てられたと言われます。
古くから食用や薬用として利用されてきました。
ゆり根の「隣茎」とは、字に「茎」が使われているように、実は「根」ではありません。葉が変形したものです。