(画は【 click!】で拡大表示) :最近の新しい品種です::阿字池には、5.6種の品種を植えています: <今朝から咲き出しました。> 今から開いて昼過ぎには閉じます。3・4日開いたり、閉じたりということを繰り返し、蓮弁を散らし花は終わります。 よく見ればすでに種の基が形成されているのが見えます。クリックして画を拡大して見て下さい。神秘な世界を覗けます。 人を誘い込むように妖しく開きかけていて、観てはならないものを、覗き観たような気分です。それは覗き見たがゆえに罪を感じさせます?。蕾の深部から、蕾を覗いた私を観てくれているような気もします!?。 これから静かに神秘な開花が始まろうとしています。命の芽生えが感じられます。 -・−・−・ 仏教での蓮のイメージは、泥から生え気高く咲く花、まっすぐに大きく広がり水を弾く凛とした葉の姿が、俗世の欲にまみれず清らかに生きることの象徴にとらえられます。 -・−・−・ 蓮の花びらは何を護っているのでしようか? 「その優しい花の何枚もの花びらで、何を護っているの…!?。」と蓮の花の精に問いかけると、「あのね…!、花びらの真ん中にある卵の黄みがかった丸い寝床の台に、いま、まーるい小さな沢山のいのちを預かっているの…!。まだ外の世界に出る用意ができていなくて、それで、それまで私は花弁で、幼い命を護っています。」と教えられているようで、命の揺り籠をおもわせ、神秘・愛おしさを感じます。 蓮の花が受粉のために虫をよぶ為、花の中心を外気より、花の中心部は熱をあげているんだそうです。自ら熱を出しているというより、開き始めの蕾は、壺のような形状なので太陽の熱を溜め易いのかも知れません?。 ー・−・−・−・−・−・ー・−・−・−・−・−ー・−・−・−・− ところで、 芙蓉の顔(かんばせ)と言えば、中国ではハスの花のように美しい顔。美しい顔立ちのこと、美人の喩えを言います。 日本でいう「芙蓉」は中国では「木芙蓉」というそうです。「木フヨウ」と区別するために池のハスは「水芙蓉」とも。 蓮の花には「*.1金蓮歩」という言葉もあり、美人の歩くさま・・・ *.1南斉の東昏(とうこん)侯が潘妃(はんき)のために、地上に金製の蓮華をまき、その上を歩かせたという「南史」斉本紀の故事から、美人のあでやかな歩み。 ー・−・−・−・−・−・ー・−・−・−・−・−ー・−・−・−・− s63年闘病生活の中で、 <夏たけて堀のはちすの花見つつ仏の教え憶う朝かな> :昭和天皇:
ー・−・−・−・−・−・ー・−・−・−・−・−ー・−・−・−・− 蓮の功徳に、「*2.花果同時」というのがあります。それは花と果実が同時に形成されることをいいます。 *2.「蓮」は、初めから「実」を内蔵して生まれてきます。この画をクリックして拡大してみると、そのことがよく分かります。既に内蔵された「実」が観えます。 それを仏教では*1.「因果同時」ともいい、迷いの凡夫(花)の中にも、生まれながら既に悟りを開く心(果)が備わっていることに喩えます。「誰もが生まれながらに仏心がある」ということを教えます。 花と同時に実ができているのは「発心(ほっしん:仏心)即到(そく到る)」を意味するのです。つまり何かをやろうと心に思うことで、到達できるという意味です。行う前から先々の事を不安に思ったり、悲観的に考えるのではなく、心に決めたことを実行してみてこそ成功への道につながるのです。「思いは実現する」です。
大賀ハスと言って、3000年前の遺跡から、出土した実を発芽させた有名な蓮があります。それほど蓮の実は丈夫です。大賀ハスの実のように、仏心も条件次第で、いつでも仏心が花開くのです。 大賀ハスと名付けられたその花が教えてくれたことは、蓮の種子は何千年たっても間違いなく発芽するということです。 これは私たちの仏性(難しく考えずに、清らかな心と考えて下さい。)は、いかなることがあっても、死滅することは絶対にないということを表しているといえます。
仏教の真理の一つに「*3.因果倶時」というのもあります。原因と結果は倶時であるという真理になぞらえて、蓮の性質・特徴を取り上げた比喩です。 *3.普通の花々は開花して受粉され、そして実を結ぶという時間差がありますが、蓮は開花と同時に実が成る(花果同時)、つまり原因・結果が倶時であるという事実が、仏教の説く真理に符合するとして、真理の象徴として重要視さます。
蓮は泥中より生まれ出て、しかもその泥にも染まらず、清浄で無垢な美しい華を咲かせるところから、人間の生き方(汚れに染まらず:不染)そのことを説く教えとして比喩されます。
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「♪・〜・小鳩くるみの童謡。♪・♪〜♪・」 曲名は「ひらいたひらいた」です。
♪♪・・・「開いた開いた 何の花が開いた れんげの花が開いた 開いたと思ったら い〜つのまにやらし〜ぼんだ〜…。」
これは、 古く江戸のころから伝わる「わらべ歌」ですが,この「レンゲの花(ゲンゲの花)」は春に野に咲き、良い「みつ源」になるマメ科のゲンゲ(レンゲ)の花、蓮華草のことではなく、池に咲く仏花の「蓮・ハス・はす・蓮華」のことを歌っています。蓮華草と草の字を書くのは、レンゲ(蓮華)と区別するためかもしれません。 このわらべ歌は、子供たちが手をつないで輪を作りながら、「ひらいた」「つぼんだ」の歌詞に合わせ、手を広げて大きな輪になったり、ハスの花がしぼんだり開いたりしながら、花が咲くように小さな輪になったりする遊び歌として歌われました。 レンゲソウの漢名は紫雲英(しうんえい )です。 紫雲英と書くのは、輪になって咲く姿をハスの花に見立てたものです。 花が一面に咲いている様子を遠くから見ると、低くたなびく紫の雲のように見えるというところからきているようです。
幼い頃、この小鳩くるみの童謡・「ひらいたひらいた」の歌は、蓮華草の事だとばかり思い込んでいた時期もありました。よく観察すれば、ハス花は早朝に咲いて、午後には花弁を閉じて、つぼみ状になります。開いたり、蕾んだりします。よく考えれば蓮華草(ゲンゲ)は開いたり、閉じたりすることはありませんよね…! 草でしかも花が蓮華によく似ているから、蓮華草というようです。
「蓮華の花開いた」は、 女子遊びなり(江戸年中行事より)
全歌詞= 『ひらいたひらいた』
ひらいた ひらいた なんの花が ひらいた れんげの花が ひらいた ひらいたと おもったら いつのまにか つぼんだ
つぼんだ つぼんだ なんの花が つぼんだ れんげの花が つぼんだ つぼんだと おもったら いつのまにか ひらいた
数人の子供らが、互いに両手を握り合って輪を作り、大声で、「蓮華の花がひらイた、ひイらいたと思ったら、やツとこさと、つウぼんだ、つウぼんだつウぼんだ、と、おもったら、やツとこさと、ひイらいた」と、互いに開いたり、つぼんだりしている内に、つまずいたり倒れたりする。怒ったり泣き出したりすることもあって、仲間が手を離し崩れてしまう。そんな幼い女児の遊びのようです。そんな遊びを仏様が見守っている様な(踊り歌)。 そこには一休さんが加っていそうな遊戯歌。 ー・−・−・−・−・−・ー・−・− =蓮の余話=
・岩国は蓮の産地ですが、岩国のレンコンの穴は一つ多く九個で、岩国藩の吉川家の家紋(九曜星)に似ていることから、藩主に好まれて来たのだそうです。それで吉川家が蓮栽培を奨励したとか? ・ハスの実は食べられます。蓮の花托の中の実は乾燥するまでは青く、その芯は安眠効果があると言われます。 以下サーチ【search】 ▽↓▽↓▽↓▽↓▽↓▽ 永井荷風の「荷風」は、風に吹かれる蓮という意味でつけたそうです。
漢字源に由れば「荷」は、会意兼形声。 「荷」は「艸(廾)+音符何(人が直角に、にもつを載せたままの意)」で、茎の先端に直角に乗ったような形。茎の上にT型に乗った型で、花や葉がつくものの意。即ちその代表が蓮。 になう(荷う)の意は、 もと「何」と書いていたが、「何」が疑問詞に使われだしたため「荷」がになうの意に用いられるようになった。 そのことから、茎の上にT型に乗った型で、花や葉がつくものの意。
蓮飯というのがあります。出立ちの開かない柔らかい蓮葉を刻んでご飯を炊いたもの。
ー・−・ 欧州で唯一仏教国のカルムイキア共和国の旗は、中央に蓮の花をかたどった旗です。
欧州の唯一の仏教国に、カルムイキア共和国というほとんど知られていない小さな国があります。、 ロシア南部・カスピ海に面した位置にあり、民族的・文化的には、モンゴルとの共通性が多く見られます。カルムイク人は、かつてモンゴル帝国がアジアからヨーロッパにまたがる広大な帝国を築き上げたときに移住した人々の子孫に当たり、多くの人々が仏教(チベット仏教)を信仰しているそうです。
・インド、スリランカ、ベトナム等の国花は蓮。
・スリランカでは、摘んだハスのつぼみから、花粉がつまったおしべの葯(やく)を取り出して蓮茶を作ります。
・おしべの葯をむしり、ハスの甘い香りがつまったおしべの葯はガオ・セン(ハスの米)と呼ぶそうです。葯は乾燥させると米粒に見えます。
・摘んだハスのつぼみから、花粉がつまったおしべの葯(やく)を取り出して蓮茶を作るようです。蓮茶は高級茶とされています。
・正式名称の「旧嵯峨御所大覚寺門跡」は、真言宗大覚寺派の本山。いけばな嵯峨御流の総司所です。 周囲1キロの庭池「大沢池」では「観月の夕べ」が有名です。その大沢池に蓮が咲き乱れます。 住所:右京区嵯峨大沢町4
・大沢池では、龍頭鷁首(げきしゅ)舟が浮かんでいます。龍頭鷁首舟はかつて天皇や皇族の方々の宴に使われ、現在は春の華道祭と秋の観月祭でしか乗ることのできない貴重なもの。龍頭鷁首舟は、船首に龍頭が飾られた舟と、鷁首が飾られた舟の2隻です。
・ちり蓮華とは、柄の部分まで窪んだ陶製の匙(さじ)の事で、主に中華料理などで使われています。
語源・由来
レンゲは、匙の形が散ったハスの花びら一片に似ていることから、「散り蓮華(ちりれんげ)」と呼ばれるようになり、それが略されたて「レンゲ」となりました。
蛇足となりますが…
「蓮華草(れんげそう)」」も、花の形がハスの花に似ていることから、「紫雲英(げんげ)」の別名として名付けられたもので、現代では「蓮華草」と呼ばれる方が多いです。
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