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■ 77)長澤芦雪の画『正面の象』の部分。仕事を終えた後「象」を労わるインド人風の二人の『象使い』。仏教では象は神聖な動物。2014.11.15

(画は【 click !】で拡大表示)

調べたら象は大きく分けると、アフリカ象、アジア象の2種類があり、タイ・インド・インドシナ・インドネシア・中国南部・ビルマ・マレー半島・スマトラ・セイロンなど東南アジアの低地や丘陵地の森林などに生息するのがアジア象です。アジア象はアフリカゾウより性格は大人しく扱いやすいので、いろいろと使役に使われます。この地域の人は象を神聖視して大切に扱います。仏教においても象は神聖な動物で、仏画・仏像にとり入れられています。涅槃図には、嘆き悲しむ多くの動物達の中に、象もそれに混じって嘆いた姿で描かれています。
ご存知の【*1.涅槃図】の中で、たくさんの動物が集まって嘆くのは、「あらゆる命あるものは、すべて等しい尊い命をもって、共に今この世に存在している、と初めて説いてくれたお釈迦さまの入滅(死)を共に悲しんでいる場面」なのです。
この画の『象使い』はインド人?(ネパ―ル人?)として描かれているように思います。

【お知らせ:29)『長澤芦雪』の画をクリックで拡大して見れます。】そこからこの画の全体象をアップし説明もしています。
そこからトリミングしたこの部分は、落款の部分と、仕事を終えて2人のインド人らしい『象使い』が、前足・後足をそれぞれ手分けし、労って洗ってやっているところを拡大したものです。『象使い』の優しさが表わされている思いやりの部分です。
【お知らせ:29)『長澤芦雪』の画をクリックで拡大して見れます。】からクリック芦雪の画を拡大して観ると、象もその労いに満足げに、目を細めた眼は優しく描かれています。
足元をトリミング拡大して観ると、普段使用しない異国風の銅製の大きな水甕が印象的…に見えます!。
描かれた水甕はかなり精巧な造りに描かれ、当時、珍しい神聖な動物として手厚く扱われていたことが窺えます。この二つの水甕を象の首に振り分けて、将軍に上覧させるために二人の象使いと共に江戸へ向かったのかも知れません!!。道中京都あたりで、芦雪が実際に見てその様子を参考に描いたかも!?。そのことは十分に考えられます。

芦雪のお師匠である丸山応挙も象を描くのが得意でした。

本物の生きた象が、蘆雪の生まれるわずか二十数年前の享保十三年(一七二八)、オランダ船によって日本にもたらされているようです。長崎から山陽道、京都を経、江戸にまで運ばれ、そこで将軍吉宗(一六八四〜一七五一)の上覧にも供されていました。だから応挙も芦雪も観た可能性があります。この芦雪の絵はインド人らしい『象使い』を描いているので、将軍の上覧の折に、象について江戸に行った「インド人の象使い」を実際に見て描いたのかも!?知れません。
ここに描かれた異国風の銅製の大きな水甕も、江戸に向かったインド人の象使いが、実際に持ち歩いていたのかも!…?。それにしても、大食漢の象の餌や水を、江戸までの道中調達するのは大変だったと思います。
象が長崎から江戸まで運ばれる途中、各地で大量の見物人を集め多くの出版物が刊行されたようです。京都では時の天皇と上皇が御所に呼び寄せ、この象を見物しました。ただし、無位無官では謁見(えっけん)がかなわないとのことで、従四位(じゅしい=官人に授けられる位階の一つ)という位まで賜ったという嘘のようなエピソードも伝えられています。将軍吉宗も江戸に呼び寄せ、江戸庶民にも人気を博しました。


仏教では象は神聖な動物です。
象にまつわる伝説。以下、サーチ【search】
マーヤ夫人は、35歳の時、ある夜、六つの牙を持つ白像が天より降りて右脇より体内に入る夢を見ました。
バラモンの夢占師に聞くと、インドでは、象は聖獣とされているため、まさに吉夢で、世継ぎ誕生の兆しと告げられました。
マーヤはまもなく懐妊し、マーヤが出産のため、里帰りの途中立ち寄ったルンビニ園の庭で休息中、無憂樹の花を手で折ろうとしたところ、右脇の下から釈尊がお生まれになったとされています。
普賢菩薩(ふげんぼさつ)の像容伝説によると、お釈迦さまは、白象の姿になって摩椰夫人(マヤブニン)の胎内に入り、摩椰夫人がルンビニー園で無憂樹(ムユウジュ)の花枝を手折ろうとした時に、右脇の下より誕生された(4月8日)と伝わる。
誕生されるや、四方に七歩あゆんで、右手で天を、左手で地を指さして「天上天下唯我独尊(テンジョウテンゲ゙ユイガドクソン)」と声をあげられたとされる。
4月8日のお釈迦さまの誕生日には、天上天下を指さす誕生仏に甘茶をかけたり、花を飾ったりして祝う。
白象に乗っている姿が一般的でです。

白象」についての仏教説話はいくつかあります。
○白象はお釈迦さまの生母、マーヤ夫人の夢に現れてお釈迦さまの誕生を予言したといわれています。
○伝説によると、お釈迦さまは、白象の姿になって摩椰夫人(マヤブニン)の胎内に入り、摩椰夫人がルンビニー園で無憂樹(ムユウジュ)の花枝を手折ろうとした時に、右脇の下より誕生(4月8日)されました。お釈迦さまは誕生されるや、四方に七歩あゆんで、右手で天を、左手で地を指差して「天上天下唯我独尊(テンジョウテンゲユイガドクソン)」と声をあげられました。

○仏陀の前世について書かれた「ジャータカ物語」に次の一説。
(「ジャータカ物語」本生譚(ほんしょうたん)ともいい、仏教でいう前世の物語)
「その時みごとな白象となった未来の仏陀は近くの黄金丘をさまよってから、下って銀丘に至り、北方から彼女(マヤ、仏陀の母親)に近づいた。銀色の鼻に白い蓮の花を持ち、はるか遠くまで届く声を上げながら黄金の邸宅に入った。それから母の寝台に向かって三度敬礼し、彼女の右腹をやさしく打ち、それから彼女の腹中に入っていったに見えた。」

○託胎(たくたい)結婚して20年、子宝に恵まれなかった摩椰夫人(マヤブニン)は、ある夜、白象が天から降ってきて胎内に入る夢を見ました。子供を宿すということは、人間としての出発点ですし、人間のはからいを超えたものですから、その因縁の不思議さを象徴しているのです。

降誕(ごうたん)里帰りの途中、ルンビニーの花園で休まれた摩椰夫人は、美しいアショーカの枝を折りとろうとした瞬間、一人の王子を生みました。生まれたばかりの赤ちゃんが、将来にどんな可能性をも秘めていることを「天上天下唯我独尊(テンジョウテンゲユイガドクソン)」という言葉によって表現しているのです。

○「昔から象は神聖な動物であり、豊穣の象徴と考えられています。象を所有することは高位の証であり、仏教では象は縁起の良い動物だと信じられてきました。」

豊穣の動物・・・仏教では象は「雨を司る」動物とされています。「象の大地」とも呼ばれる、東北タイにあるスリンという町では「象は人生の伴侶であり、幸運、地位、強さ、多いこと、大きいこと」を意味する。また、夢の中に象が出てくると東北タイの人々は、「大きな仕事が来る、仕事が成功する」と信じます。妊婦の人が象の夢を見たならば、それは大変おめでたいことで、「生まれてくる子どもは宿善を備えていて偉い人になって一族に繁栄をもたらしてくれる」といわれています。
お釈迦さま誕生の物語に話を進めてみましょう。
このシュッドーダナ王の妃、マーヤさまは、ある夜、不思議な夢を見られました。空から突然、白い象が降りてきて、右わき腹に入る夢でした。これは、「世界中の人々をお救いになる、そんな偉大な王子が生まれますよ。」という、おつげの夢だった。

インドではゾウは獅子とともに、最も優れた動物とされています。
普賢菩薩は女性が成仏して男性になったと云われているので、先の話と合わせるとその暗示の意味もありそう、最も優れた動物に乗ることで、普賢菩薩の偉大さを現していると解釈する説もあります。
因みに白いゾウの六つの牙は、布施、持戒、忍辱、精神、禅定、智恵の行いを示すようです。
以下、サーチ【search】
日本にはじめて象がもたらされたのは、天正三年(1575年)、明から豊後の大友宗麟に象が献上され、慶長二年(1597年)にはルソン総督が豊臣秀吉に象を献上し、また慶長七年(1602年)には交趾から徳川家康へ虎と孔雀とともに象が献上された。神戸市立博物館にある狩野内膳筆「南蛮屏風」には、南蛮から渡来した珍しい品々とともに象が描かれている。
このように、象は南蛮時代の珍しい舶来動物の代表であり、この時期に象は一気に人気の動物になったようだが、それ以前から象は日本でも描かれてきた。
それは仏画の<普賢菩薩像>
12世紀 東京国立博物館白象に乗る姿で表される普賢菩薩は、東京国立博物館にある国宝で名高い。尾道の持光寺にある国宝「普賢延命菩薩像」は20本の腕を持つ菩薩を4頭の白象が支えている。
京都の養源院には俵屋宗達の描いた見事な杉戸絵があり、そのうちの二面には白象が描かれている。この白象もやはり普賢菩薩を表しているとされ、別の二面に描かれた唐獅子は文殊菩薩を表しているのだそうです。日本で描かれた象はみな、優しいそうな目が切れ長で細長いようです。

=余話=
象の糞から集めた超高級コーヒー豆があります。
タイではゾウにコーヒー豆を食べさせた糞より集めたコーヒー豆で作るブラック・アイボリー(黒い象牙)というものがあり、コピ・ルアクより高額に取引されます。味は心地良く、予想外のもので、チョコレートやナッツ、レッドベリーを味わっているような気分になり、普通のコーヒーのような苦みはまったくなく、口当たりはとてもまろやかなのだそうですよ…!?。1kgあたり1100USドル(約9万円)で取引されており、一杯あたり50USドル(約4100円)となります。また、1kgのブラック・アイボリー(Black Ivory)を生産するのに生のコーヒー豆33kgが必要となるんだそうですよ…!。

以下、サーチ【search】
ジャコウネコの糞を介してできるコーヒー豆より、象の糞から採れる最高のコーヒー豆。

世界で一番高価な幻のコーヒーは何?
それはインドネシア産のコーヒー。『コピ・ルアク』と、コーヒー通は答えるかもしれません。それよりも象の糞から集めたものが超高級コーヒー豆なのだそうです。このジャコウネコの糞を介してできるコーヒー豆。このインドネシア産のコーヒーは、確かに少し前までは、産出量が少なく、世界で一番高価だったようです。この『コピ・ルアク』よりもさらに、希少で高価なコーヒーが存在する。それはタイの象の糞から採れるコーヒー『ブラック・アイボリー・ブレンド』なのだそうです。50ドル(約4,000円)、1kgあたり1,100ドル(約88,000円)の超高級品研究の結果、コーヒーに含まれるたんぱく質がゾウの消化酵素により分解されることが分かっています。たんぱく質はコーヒーの苦味の主な原因の1つとされているので、これが減ることにより苦味がほとんどなくなるようです。
それは、
・象の消化酵素がコーヒーの苦味成分であるタンパク質を分解し、
・象の胃の中で長時間自然の発酵が行われ、果物などの香りがコーヒー豆に移る。
ジャコウネコのふんから集められるコーヒー豆も有名ですが、コーヒー豆に含まれるたんぱく質が象の消化酵素により分解されることで、たんぱく質はコーヒーの苦味の主な原因の一つとされているので、これが減ることにより苦味がほとんどなくなり、最高級のコーヒーとなるんだそうです 象の体から排出されたコーヒー豆は、象使いによって糞の中から回収され、日干しされる。 テレビ放送後驚くほど、市場の価格が沸騰したため、本当に価格も高級なコーヒーとなる。
今まで世界一高いコーヒーとして知られるコピ・ルアク(ジャコウネコの糞を介してできるコーヒー)との違は、ジャコウネコは雑食性なので、死んだ虫や腐った生ごみを食べて、コーヒーに影響を与える可能性があるようです。しかし、象は草食で匂いが付きにくい。
象の糞コーヒーができるまで
1:コーヒーチェリーを採取
コーヒー豆は、コーヒーチェリーと呼ばれる木の実の種子です。1500m以上の高地にあるコーヒーチェリーから厳選したコーヒー豆が届きます。このままコーヒーにして飲んでも、タイでトップと品評されたこともあるそうです
象は草食動物で150kgの草類や100リットルの水を1日に摂取しているとのこと。ブラックアイボリーコーヒーの製造はタイ北部にあるゾウ保護センターで行われているのだそうです。

果物などと一緒にアラビカ種のコーヒー実を混ぜてゾウに与えます。ゾウはそれを15〜30時間かけてゆっくり消化、やがて排泄します。

ゾウの糞として排出された未消化のコーヒーの実は、ゾウ使いによって糞の中から取り出され、洗浄、天日干し乾燥、焙煎を経てコーヒーとなります。

現在、象保護センターには30頭。象が象使いとその家族と共に暮らしているそうです。

タイの高級なコーヒー豆・“ブラック・アイボリー・コーヒー は、コーヒー豆(タイ・アラビカ種)をゾウに未消化状態で排出してもらって、糞の中から回収して生産する。製造はタイ北部にあるゾウ保護センターなど、各地のゾウたちである。ブラックアイボリーは、なめらかな口当たりと強い香りがあるとされる。ゾウの消化は 30 数時間で行われるが、コーヒー豆を消化することはできず、ただ、コーヒー豆に含まれるタンパク質が消化され、これにより蛋白質由来の苦味が消えるとされている。このコーヒー豆は、インドネシアでジャコウネコの糞から産出される高級コーヒー豆「コピ・ルアク」と同様の高いランクの価格帯で取引され、1 キロ当たり1,100 US ドルである このコーヒー豆は日本でも売られる。

2013年、このゾウの消化管内で熟成させたコーヒー豆を用いて、黒ビール・『うん、この黒』 が作られた。日本のビール醸造所“サンクトガーレン”が製造し、4月1日に通信販売したところ、即日完売した。

更に面白いのが、
象のウンチでできた紙「象ペーパー」
スリランカではいたるところで象が見られる。その象の排泄物の糞を利用して、紙を作っている。
作り方は単純で、糞を煮詰めて繊維だけを残し、それにバナナの繊維や古紙などを混ぜて作る。象の食べるものは、繊維質の多いものなので、その糞は紙の理想的な原料といえる。すべてスリランカの人たちの手によるもので、約30種ほどあり、ピンク、ブルーなど色彩が豊富である。ゴミや廃棄物から生み出された紙として注目を浴びている

【*1.涅槃図】、
釈迦が沙羅双樹(さらそうじゅ)の下で入滅する情景を描いた図。一般に、釈迦が頭を北、顔を西、右脇を下にして臥(ふ)し、周囲に諸菩薩(ぼさつ)や仏弟子・鬼畜類などが集まって悲嘆にくれるさまを描いたもの。涅槃絵。