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■ 27)最盛期に活躍し 今は引退したキャチャーボートと下関捕鯨の歴史2009.4.5

以下市のホームページ・広報や、新聞報道から。 
大正時代に、下関に本拠地を置く林兼商店が捕鯨部を新設し、近海捕鯨に乗り出し、その後昭和11年、林兼商店の中部幾次郎が大洋捕鯨を設立し、翌年から南氷洋捕鯨を開始します。その後下関に大洋漁業の本社が置かれ、下関の林兼造船により捕鯨船が建造されるようになります。
戦前戦後を含めて、下関は南氷洋捕鯨の冷凍鯨肉の水揚げ地・鯨肉加工品の生産拠点・捕鯨船の基地として栄え、鯨は関連産業と共に水産都市発展の一翼を担っていました。下関港への鯨肉水揚げ量は、昭和33年に年間1万トンを超え、昭和30年代後半から40年代にかけてピークの年間2万トンに達していて、当時のにぎわいぶりが想像できます。

写真は漁港に係留されている。キャチャーボート第25利丸。
後は林兼産業(ハム・ソーセージ)・kk大興製凾。 

(画はクリックで拡大)

第25利丸は、1962年大洋漁業(現マルハ)捕鯨船として、下関市の林兼造船第3工場(現サンセイ)で建造。2002年北西太平洋鯨類捕獲調査を最後に引退した。45年間の航海数は66回。160万マイル(257万キロ)を走行した。02年共同船舶が同市に寄贈。05年から今年3月まで船体改修工事を行った。
操舵室の上にはアッパーブリッジと呼ばれる見張り台があり、双眼鏡で鯨の群れを探す。甲板の上の見張り台には見張士が上がり、鯨がいる方向を示すのだそうです。
船の軸先には捕鯨砲が置かれ、鯨を見つけると、砲手が操舵室と船の先端室を結ぶ橋を使って移動。捕鯨砲を発射して仕留める。
捕鯨砲は先が直径5.6aほどの円柱形。先端は尖っておらず平たい。尖っていると命中しても、クジラの皮膚に跳ね返えされてしまうそうです。(これには少し以外でした!)
捕獲したクジラの尾にロープを結び、ロープを穴に通して固定させ、母船まで運ぶため 甲板の横部分に直径30aほどの丸い穴が、左右に開けられている。
仕留めたクジラが船底へと潜り、スクリューの羽根を折ってしまうこともあり、その為に船尾に予備のスクリューが用意されている。 
と言う事です。
以上下関市の広報や新聞報道を参考にして。

第25利丸は「マルハの捕鯨船として活躍、最後の最高傑作船だそうです。栄光の時代を見守り続けた船。」

戦後と共に育った私等の世代は、鯨肉は懐かしいものです。
塩辛く筋ポイ肉でも、(今の牛肉代わり)美味しくいただきました。
特に私は、義兄がキャチャーボートの機関長でしたので、春南氷洋から船団が帰ってくると、鯨肉や鯨皮の塩漬けの短冊を貰っていたので、懐かしく思われます。
塩漬けの鯨皮を薄く切って、熱湯をかけオバイケ作ると、油が乗り美味しいかったです。
今のスーパーで、チリチリした油っけのないのを買うより格段と美味しいものでした。
鯨は塩漬けで、南氷洋から帰り消費されていました。現在では冷凍技術が進んだので、昔のように鯨特有の臭味が無いそうです。 

農林水産省のHPによれば、以下のようにあります。
オバイケは「尾羽毛」とも書き、鯨の身と尾の間の部位肉のこと。今では、多くは皮下脂肪をそぎ切りしたもののことを指す。
ヨシノヨ(節分)に大きいものを食べると、大きく年をとることができる。つまり元気に1年を過ごすことができると言われている。
地方により、オバケ、オバイケ、オバキなどと呼びます。太地ではチヂクリといいます。
辛子酢味噌か梅肉で食べられます。

長門市では昔、鯨の位牌を作り、鯨の回向をしていたようです。
以下長門市のホームページ・他の資料参照。
鯨回向は、捕獲したクジラの霊を慰めるために、300年以上前から行われている伝統行事で、クジラの胎児を埋葬した「鯨墓」や「鯨位牌」。人間と同様にジラに戒名をつけた「鯨鯢過去帖」とともに、クジラの恩恵に感謝の気持ちを込めて、毎年鯨漁の終わるこの時期に実施されていました。
:金子みすずの詩 :
: みすずは、ここの長門市の出身。女学校卒業後。大正12年、下関西之端町商品館内の上山文英堂書店で働き始め、6月頃よりペンネーム「みすゞ」で童謡を書き投稿しながら、下関市で結婚生活をしていましたが薄命でした。
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    鯨法会は春のくれ。
  
   海にとびうおとれるころ

   はまのお寺が鳴るかねが
   ゆれて水面(みのも)をわたるとき

   村のりょうしがはおり着て
   はまのお寺へいそぐとき

   おきでくじらの子がひとり
   その鳴るかねをききながら

   死んだ父さま 母さまを
   こいし、こいしとないてます

   海のおもてを かねの音は
   海のどこまで ひびくやら
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